MENU

不動産を遺産分割する4つの方法と3つの注意点について解説!

相続する財産の中で、不動産は現金や預貯金に続いて割合が多い。しかし不動産は現金などと違ってまとまった一つの遺産であるため分割するのが難しい。そのため不動産をどのように遺産分割するかで相続人同士でトラブルになるケースも多いため、あらかじめ不動産の分割方法は理解しておく必要がある。

そこで今回、不動産を分割する4つの方法と不動産を相続する際の注意点を紹介する。これから不動産の相続がある方は、ぜひ参考にしてほしい。

目次

不動産の相続は誰が決める

はじめに不動産の相続は誰が決めるのだろうか。ここでは3つの決め方について紹介する。

遺言書によって決められている

不動産の相続人は被相続人が残した遺言書に記載されている場合、遺言内容に基づいて相続することが一般的である。遺言書は被相続人の意志を示した書類であるため、相続人の多くは遺言内容通りに相続するケースが多い。

しかし遺言書の内容を必ず守らなければいけないというわけでもない。遺言書の内容が相続人全員が納得できない場合は、次で紹介する遺産分割協議にて相続することも可能となる。そのため遺言書は原則守るものの、100%内容通りに行う必要はないと覚えておく必要がある。

遺産分割協議にて決める

遺言書がない場合や、相続人全員が納得できない遺言書である場合、遺産分割協議にて不動産の相続人を決める。遺産分割協議とは法定相続人全員が遺産の分割方法を決める話し合いである。ただし法定相続人が1人でもかけた場合は協議が無効となるため、注意が必要である。

遺産分割協議にて不動産の相続人が決まった後は、相続する遺産を明記した遺産分割協議書に法定相続人全員の署名捺印した書類を作成する。協議書がなければ不動産の名義変更はできないため、必ず作成する必要がある。

自宅は配偶者が優先される

配偶者は被相続人と同居していた場合、配偶者居住権を主張できるため、自宅を相続する可能性が高い。配偶者居住権が制定される2020年4月以前は、配偶者が被相続人と生前中に同居していても、必ず自宅を相続できるとはいえなかったため、配偶者が居住を失う問題があった。しかし配偶者居住権が制定されてから上記の問題はなくなり、多くの方は自宅に住み続けることが可能となったのである。もちろん配偶者居住権を使用するには以下の項目に該当しているなどの条件もあるため、確認してほしい。

  • 配偶者が被相続人と相続開始前まで同居していたこと
  • 建物の所有者が被相続人の単独名義または配偶者と共有名義であること
  • 遺産分割、遺贈または死因贈与であること

遺言書に「自宅は長男に相続させる」などと記載がある場合や、遺産分割協議にて自宅の相続人が配偶者以外であっても上記の条件に該当する場合は配偶者居住権を主張できる。そのため自宅に関しては配偶者が優先されると認識していても良いだろう。

不動産を遺産分割する4つの方法

では不動産を遺産分割する際はどのような方法が挙げられるのだろうか。ここでは4つの遺産分割について解説する。

現物分割

現物分割とは不動産を現金などに換えず、相続人がそのままの形で相続する方法である。例えば賃貸アパートを長男、賃貸マンションを次男などにそのまま相続する場合などである。遺産分割において現物分割は最も一般的な分割方法であり、不動産だけでなく株や有価証券なども該当する。

代償分割

代償分割とは不動産を相続する人が、不動産に代わって現金を他の相続人へ支払う方法である。例えば被相続人の遺産のほとんどが不動産である場合、遺産分割するのが困難になるため、1人が不動産を相続すると他の相続人は遺産が相続できなくなる。しかし相続においては不公平となり、相続人同士でトラブルにもなりかねないため、代償分割を行い遺産の代わりに現金を渡すケースがある。もちろん不動産を相続する人は、金銭を準備できなければ代償分割はできないため、次で紹介する換価分割が用いられることも多い。

換価分割(かんかぶんかつ)

換価分割とは不動産を売却して現金に換えてから複数人で相続する方法である。分割が難しい不動産を現金に換えることで、遺産分割が簡単になるメリットがある。ただし、不動産の買い手が見つかり、相続人全員が納得する金額で売却する必要がある。

換価分割は相続人の代表者の1人に名義変更してから売却手続きを行う方法と、共同相続人全員の共有名義変更してから売却する方法の2種類ある。相続人の代表者が売却する場合、他の相続人の同意は不要となるものの、共有名義の場合は相続人全員の同意が必要だ。1人でも売却価格などに納得できず反対した場合は売却できないことになるため、全員の意見をまとめる必要がある。ただし現金に換えることで、「誰が不動産を相続するか」などの要因で揉めることはなくなるだろう。とはいえ、先祖代々から受け継いできた大事な土地を売却したくないという方も多い。その場合は、次で紹介する「共有」という形で遺産分割するケースもある。

共有

共有とは不動産を複数人で相続することを指す。不動産は複数人で所有する共有名義にすることで相続することも可能だ。共有名義にした場合、持分に応じた税金支払いや賃料収入などを得ることができる。一方で、共有名義人が亡くなった場合、つぎの相続人が相続することとなるため、血縁関係が遠い人と遺産分割しなければいけないデメリットがある。

さらに共有名義の場合は売却などをする際、所有者全員の同意が必要となる。特に金融機関からの融資を利用して建て替えなどをする場合、人によっては借入に反対するケースも多いことから、不動産の活用の自由度は低くなってしまう。そのため不動産を共有名義にする際は、今後の活用方法なども十分考慮しておく必要があるだろう。

不動産を相続する際の注意点

ここでは不動産を相続する際の注意点を3つ紹介する。

間違えて登記すると大きな税金を支払うことになる

相続した不動産を間違えて違う相続人に登記してしまうと大きな税金を支払う可能性も高くなるため注意が必要だ。間違えたからと言って血族関係のある相続人同士で登記し直した場合、贈与税や譲渡所得税が課せられることになる。贈与税は年間110万円以上の財産を無償で贈与した場合に課せられる税金だ。税率も日本一高いため、無償で贈与して登記し直すことは現実的ではない。

また売却した場合は譲渡所得税が課せられる。譲渡所得税は売却利益に対して20%〜39%の税率を掛けた金額を納税しなければいけない税金である。「相続した土地を売却した場合の税金計算方法と売却手順を紹介」にて譲渡所得税を詳しく解説しているため確認してほしい。

そのため贈与または売買であっても納めなければいけない税金が発生するため、決して間違えて登記してはいけない。また税金逃れとして低価格で売買してもみなし贈与として扱われ、贈与税の課税対象となってしまうため、十分注意が必要である。

借入がある可能性もある

賃貸アパートなどの不動産には借入がある可能性も高いため注意が必要である。相続税対策の中には金融機関から融資を受けて賃貸アパートなどを建築する方法がある。相続税額を抑えることができる一方、不動産を相続した人は債務も相続することになるため、毎月の返済が発生する。そのため不動産を相続する際は借入があるか事前に確認しておくべきだろう。なお、不動産の節税方法について詳しく知りたい方は「相続対策は2種類必要!相続人が安心する対策方法を紹介」を確認してほしい。

借入を相続したくない人は、「相続放棄」または「限定承認」をするか検討すべきである。相続放棄は相続に関する一切の権利を放棄することであり、借入はおろか財産を相続することはなくなる。相続放棄につて知りたい方は「債務を相続しなくて済む相続放棄とは?概要と手順を紹介」にて詳しく解説している。

限定承認は被相続人の負債額が分からない場合、プラスの財産額以内の負債であれば相続できる方法である。どちらが良いかは相続放棄は相続に関する記事を読んで検討してほしい。

空き家はそのままにしない

相続する不動産の中には自宅を含め空き家状態になっているケースが多い。「解体費用がかかる」「買い手が見つからない」「固定資産税が高くなる」などの要因から建物をそのままにしている方も多い。しかし自然災害や放火などによって建物が倒壊し、近隣住民に影響を及ぼすと損害賠償を請求されることにもなるだろう。そのため相続した建物がある不動産は何かしら対処しなければいけない。

また自治体から「保安上もしくは衛生上危険がある建物」「景観や近隣環境に影響を及ぼす建物」と判断された場合は特定空き家に指定され、行政執行で解体されるケースもある。解体費用は相場より高額なうえ、相続人が支払うこととなり、なおかつ固定資産税の軽減処置がなくなるデメリットもある。そのため空き家を相続する際はすぐに対応するように心がけてほしい。

まとめ

そこで今回、不動産を分割する4つの方法と不動産を相続する際の注意点を紹介してきた。不動産は遺言書や遺産分割協議にて誰が相続するか決める。しかし不動産を売却して現金に換えてから相続する方法や、相続人が共有名義で相続する方法などさまざまある。不動産は分割の難しさから相続人同士でトラブルになるケースが多いものの、あらかじめ分割方法を知っていれば、話し合いで遺産分割を進めることができ揉めることもないだろう。

とはいえ、不動産を相続する際は借入などがある可能性も高いため、事前に調べてから遺産分割について話し合いを行うことを意識してほしい。万が一揉める場合は即座に弁護士へ相談し、相続手続きを行うようするべきである。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次