MENU

相続対策は2種類必要!相続人が安心する対策方法を紹介

相続対策は相続が発生してからでは遅く、被相続人(亡くなった人)が生前中に対策をしておかなければいけない。相続対策と聞くと相続税の節税をイメージする方も多いが、実は相続人同士のトラブル対策も求められる。しかし具体的にどのような対策をすればよいか分からない方も多いのではないだろうか。

そこで今回、2つの相続対策が求められる理由と対策方法、注意点を紹介する。これから相続を控えている方はぜひ本記事を参考にして被相続人が生前している間に対策をしてほしい。

目次

2つの相続対策とは

相続対策には「相続税の節税」と相続人同士の遺産争いをする「争相続対策」が必要である。具体的にどのような対策が求められるか解説する。

相続税の節税

相続において最も対策が必要なのは、相続税の納税額の圧縮である。相続税の平均納税額は財務省の「相続税・贈与税に係る基本的計数に関する資料」を確認すると令和元年度で1,714.2万円にも及ぶ。そのため高額な納税額を支払えず、相続した不動産を売却して現金に換え、納税しているケースも見受けられる。

しかし相続税は事前に対策することで納税額を大幅に圧縮することも可能だ。人によっては納税額を「0円」にできたというケースも多くある。ただし被相続人が亡くなってからでは相続税の節税は何一つできないため、生前中に対策を取る必要がある。そのため税理士などに相続税の計算を依頼して課税されることが分かっている方は今すぐ相続税対策を検討するようにしてほしい。

争相続対策

相続税の対策の他に、相続人同士で遺産の争いになる「争相続」の対策もしなければいけない。相続の課税件数は年間11万件前後あるのに対し、遺産トラブルで裁判まで発展したケースは1万5千件と約10%以上になっている。いくら相続人同士で仲が良くても、いざ高額な遺産を目の当たりにすると揉めることも多い。

さらに相続争いは高額な遺産である場合が多いと思われがちだが、実は5,000万円未満の遺産額に多い。下記の表は裁判所が発表している「令和元年司法統計年報家事事件編」の件数をまとめたものである。

遺産総額件数
第1位5,000万円以下3,097件
第2位1,000万円以下2,448件
第3位1億円以下780件
第4位5億円以下490件
第5位5億円超42件
出典:裁判所ホームページ司法統計年報家事事件編(令和元年度)より一部引用

上記の統計を見てわかる通り、5,000万円以下の遺産総額が最も多く、裁判での遺産分割事件全体の75%以上を占めている。その背景には、被相続人の自宅が大きな要因とされる。少ない遺産額であるということは、遺産額の大半を占めるのが自宅であるケースが多い。しかし自宅は分割するのが非常に困難であるため、人によっては遺産を取得できないということもあるだろう。

その結果遺産争いになり裁判まで発展しているのである。そのため遺産額が少ない家庭はより争相続対策に注意しておく必要がある。

相続税の対策方法と注意点

ここでは相続税の対策方法を5つ紹介する。上から高い節税効果が見込める順番で説明するが、注意点も重ねて解説する。

現金を不動産に換える

被相続人の遺産を現金に変えることで相続税を大幅に圧縮することが可能である。現金の場合、相続税の遺産は100%の評価額となるが、不動産に換えることで60%ほどの評価額に圧縮することにつなげることができる。これを資産の組み合えという。例えば現金1億円を保有している場合と不動産に換えた場合は以下の通りである。

1億円の現金・・・1億円に対して相続税が課せられる
1億円の現金を不動産に換えた場合・・・1億円×60%=6,000万円に対して課せられる。

上記を踏まえ、どれくらい節税になるのか疑問に思うだろう。一例として上記の例の配偶者と子ども2人の相続税は以下の通りとなる。

配偶者の相続税子ども
1億円の現金0円385万円
1億円の現金を不動産に換えた場合0円90万円

配偶者は取得遺産が1億6千万まで非課税となる配偶者控除の特例が適用されるため、納税額は0円となる。しかし子どもに対しては未成年者以外に特例はないため、高額な納税額となることがわかる。そのため現金を不動産に換えることで大幅な節税効果が見込めるだろう。

  • 注意点

現金1億円を使用したことにより日々の生活に影響を及ぼしてしまうと意味がない。また相続人の納税資金を残しておかないと、結果不動産を売却してしまうことにもつながりかねないだろう。そのため現金を全額使用するのではなく、相続税額に合わせた資産の組み合えをするように注意してほしい。

更地に賃貸アパートなどを建築する

更地に賃貸アパートなどを建築することで貸家建付地となり、土地の評価額を圧縮することが可能となる。更に土地の評価額も200㎡まで50%の評価額にすることができる小規模宅地等の特例も適用できる。先ほど紹介した資産の組み替えとの相性も非常に良い。

  • 注意点

更地にアパートを建築することで土地の評価額を圧縮できる一方、建物の資産が増えるため、トータルの遺産総額が増える可能性もある。そのため相続税とのバランスを考慮して検討する必要がある。さらに平成30年の税制改正により、小規模宅地等の特例は相続開始3年以内に建築した建物は対象外となったため、建築するタイミングも重要となる。

養子縁組をして法定相続人を増やす

養子縁組することで法定相続人が増え、課税対象額を減らすことができる。相続税は遺産総額に対し基礎控除額を差し引いた金額が課税対象額となる。基礎控除額は以下の計算式で算出できる。

基礎控除額=3,000万円+600×法定相続人の数

法定相続人が多ければ基礎控除額は大きくなり、課税対象額を圧縮することにつながり、相続税の節税が見込める。基礎控除額について詳しく知りたい方は「相続税の基礎控除額の仕組みとは?基礎控除額を計算する際の4つの注意点を解説」を確認してほしい。

法定相続人は配偶者や子どもが該当するケースが多いものの、養子縁組した子も含まれるため基礎控除額を増やすことができる。さらに次の項で紹介する生命保険金等の非課税枠も増やすことができ、相続税の節税につなげることが可能だ。

  • 注意点

養子縁組した子を法定相続人に含めることができる人数には制限がある。被相続人に実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までとなる。法定相続人を増やしたいために養子縁組を多くしても、適用できる人数に限りがあるため注意が必要である。

生命保険金等の非課税枠を利用する

生命保険金には非課税枠があり、活用することで相続税の節税につながる。受け取った生命保険金等の非課税枠は以下の計算式で算出できる。

生命保険の非課税枠=500万円×法定相続人

法定相続人が2人の場合、生命保険金の非課税枠は1,000万円となる。保険金が3,000万円であれば、課税対象を2,000万円にすることが可能だ。さらに1,000万円以下であれば生命保険金に相続税は課税されない。そのため非課税枠内であれば相続税の節税に繋げることができる。そのため養子縁組をして法定相続人を増やす方法との相性も良いだろう。

  • 注意点

生命保険金は相続が発生してから取得するため、相続財産に含まれないのではと考える方もいらっしゃると思うが、生命保険金は被相続人の財産としてみなす、「みなし財産」と扱われる。そのため生命保険金は相続財産に含まれるため注意してほしい。

生前贈与で財産を減らす

被相続人の財産を生前中に相続人へ贈与することで、相続税の課税対象額を減らすことができるため、相続税の節税につながる。例えば1億万円の現金を生前中に相続人に無償で渡すことで、1億万円分財産が減るため相続税の節税につながる。ただし年間110万円以上の贈与は贈与税が課税されるため、節税効果はほとんどないと認識してほしい。

さらに相続税と贈与税を比較した場合、圧倒的に贈与税の方が高い価格となる。下記の表は1億円を子ども1人に贈与した場合の贈与税と1億円の遺産に対して子供に課せられる相続税である。なお相続税を計算するため配偶者と子ども2人の法定相続人と仮定する。

1億円の贈与税5,100万円
1億円の相続税385万円

上記の表を見てわかる通り、贈与税の税金は非常に高いことがわかる。そのため年間110万円未満の財産贈与が望ましい。

  • 注意点

贈与税は110万円未満であれば非課税枠となるものの、財産はほとんど減らすことができないため、相続税の節税効果はほとんどない。最大2,500万円まで非課税枠で財産を贈与できる相続税精算課税制度もあるものの、相続時にはみなし財産として扱われるため、相続税の節税効果は見込めない。相続時精算課税制度について詳しく知りたい方は「相続時精算課税制度の使用タイミングとは?手続きする際の必要書類を紹介」を確認してほしい。

そのため生前贈与で相続税を節税するという方法は決して有効ではないため注意してほしい。

争相続対策方法

これまで相続税の節税方法を紹介してきたが、つぎからは争相続対策を紹介する。「自分たちは争わないから大丈夫」と思っている人も注意が必要だ。

分割しやすい遺産に分ける

相続で最も争いが多い内容は「均等に分割できない」ことである。例えば法定相続人が3人いるのに対し、不動産が2つであれば均等に遺産分割できず揉めることも多い。相続税対策として賃貸アパートなどの建築をしたものの、分割方法でトラブルになることも多い。

そのため可能であれば不動産をもう一つ増やし、分割しやすくする。とはいえ資金面の問題もあるため、次で紹介する遺言書の作成がより効果的である。

遺言書の作成

遺言書があれば相続人たちで遺産分割することなく相続人を被相続人が決めることが可能だ。遺言書は被相続人が生前中に「誰にどの遺産を相続させる」を明記した書類であり、法的にも有効である。

ただし「長男に全ての遺産を相続させる」など、他の相続人に不利益な場合は遺産トラブルになりかねないため注意してほしい。法定相続人になった人は最低限遺産を取得できる遺留分もある。遺留分について詳しく知りたい方は「相続人は遺留分でいくらもらえる?遺留分割合と請求方法について解説」を確認してほしい。

まとめ

今回は相続税節税対策と争相続対策方法について解説してきた。相続税の平均納税額は約1,700万円と高額であるために、事前に節税対策していた方が好ましい。また遺産トラブルも非常に多いため、争相続対策も視野に入れておくべきである。

相続ではさまざまな対策方法があるが、自身にあった方法を選択すべきである。具体的に知りたい方は税理士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめする。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次